マーケテイングの意味

世の中で使われているマーケテイングという言葉は殆ど間違っています

マーケティングとは、市場にお客さんがいて、物を買ってくれる、そこを深く知ることが第1という意味でです。マーケティングの逆の言葉は、商品から発想するプロダクトアウトになります。マーケティングは、常に顧客発想です。多くの人は、マーケティングという言葉を商品発想にも使っていますが、「売り方が上手いネ!」・・・等の会話は、顧客発想ではなくて、商品発想ですので、マーケテイングではなくて、プロダクトアウトになります。

マーケテイングという言葉の意味

この様に、先ずはマーケテイングの本来の意味を理解して下さい。言葉は人の脳に大きく作用します。このLessonを読みながら、今後はマーケテイングという言葉を耳にしたら、今以上に注意を払う様にして欲しいです。世の中で使われている、マーケテイングという言葉は殆ど正確に使われていません。

マーケテイングの意味

マーケテイングという言葉を分解すると、market(マ-ケット)とing(イング)になります。そして、マーケテイングという言葉自体が日本発ではないので、より注意が必要で、深く考える事をしないで、僕たちは何となくこの言葉を使っています。market(マ-ケット)とは、市場の事を意味します。

日本だと、市場の事を昔は市場(いちば)と呼んでいました。漢字にすると一緒ですね!僕達日本人は、むしろこのいちばの方がイメージが付きやすいのではないでしょうか?東京だと、築地市場が思い当たります。築地市場(つきじしじょう)と言いますが、築地市場(つきじいちば)の事です。

筆者は、市場(しじょう)と聞くと、大手町の様な都会のビル群を想像し、市場(いちば)というと、やはり築地を思い浮かべます。

市場

何故、言葉自体にくどくどこだわるかと言うと、言葉は人の脳に大きな影響を与え、正確なものの解釈にはなくてはならないものだからです。市場(いちば)では、魚やお肉や野菜類が沢山取引されています。そして、沢山のお客さんが群がって競り(せり)をして物の値段が決まります。そんな風景が本来の市場という意味で使われてきました。

経済学の基本は市場(いちば)からスタートしている

経済学とは、簡単にいうと、経済というものがどういうものなのかを数式で表して、 モデルにして、こんな時にこんな事が起こると予想して、経済の事象をモデルにしたのものです。例えば、魚が沢山あって、買いたい人も沢山いて、みんなが「買いたい!買いたい!」と手を挙げて、結局魚の値段がいくらに落ち着くのかを予想するところから経済学は始まりました。こういう場所を市場と言い、その後今に至るまで、市場という意味が広くなってきました。

現代はどこにお客さんがいるのか掴むのが難しい

特にインターネットの目まぐるしい普及のお蔭で、世界中で買い物ができて便利な時代にはなったのですが、その分生のお客さんの顔が直接見れない時代になり、販売者側からは、どこにお客さんがいるのかが解らなくなってしまいました。

でも、市場という場があって、そこにお客さんがいて、その人が物をかってくれる事に変わりはありません。そこを深く知りましょう!という事が一番大事ですよ!・・・と言うのが、マーケットイングという意味です。

プロダクトアウトは商品発想で、マーケテイングというのは、顧客発想という事になります。

更に、マーケテイングという言葉を深く理解しようとおもったら、反対の言葉を考えてみるといいです。マーケットイン・・・という言葉は、市場の中に入るという意味で、市場の中に入ってそこから考えましょうという意味です。これに対して反対の言葉は、プロダクトアウトといいます。これは、商品から発想するという意味合いを持ちます。つまり、プロダクトアウトは商品発想で、マーケテイングというのは、顧客発想という事になります。

なので、マーケテイングと言っている時は、常に顧客発想の意味なんだ!・・・という事を先ずは理解して欲しいと思います。ところが僕たちは日常で、マーケテイングという言葉を、商品発想の時にも使っています。気が付かない時が多いのですが、これが問題です。「マーケテイングが上手だね!」という会話の場合は、殆どがその売り方が上手い・・・時に使います。でも、売り方というのは、まさしく商品発想からでた言葉になります。

ピーター・ドラッカー

そうではなくて、「とても迅速で、気持ちよく買い物ができました。又利用したいと思います。」という言葉は、顧客発想で、上手いマーケテイングを顧客がされている状態を意味します。この様に顧客の立場、視点から物事を理解し、発信するのがマーケテイングだという事で、それ以外の言葉は商品発想という事で間違いありません。こんな風に考えると、世の中の人が信じている事は大抵間違っていると言っても言い過ぎではないと筆者は思っています。

世の中の人が信じている事は大抵間違っている

経済学者で有名な、ピーター・ドラッガーの言葉です。名言で検索すると他にもたくさん出てきます。時々間違っている・・・ではなくて、大抵間違っていると言っています。その一つとして彼は、マーケテイングに関しても、同じ様な言葉を残しています。マーケテイングの事を、セールスの事だと思っている人が多い・・・と。彼はセールスとマーケテイングを次の様に定義しています。

・セールス=自分が持っている物を相手に売る行為

・マーケテイング=相手が欲しいと思っている物を既に自分が持っている事

ピーター・ドラッガーの言葉

顧客が欲しいと思っている物を、顧客発想で本当に知っているならば、顧客がこれこれの商品はありませんか?と尋ねた時には、その商品は既にあって当たり前だ・・・という事です。顧客からこんな商品ありませんか?と言われて作り始めている様では、それはもう遅いという事も意味しています。

若しくは、こんなものを欲しがるだろうと思って、色んな商品を準備しても、いざ販売する段になって、顧客から、こんなもの欲しくないです!と言われて、何とか説得して売る行為も間違っている・・・と言っています。それは、マーケテイングではなくて、単なるセールスに過ぎないと・・・。

マーケテイングという言葉について敏感になって欲しい

このLessonを学びながら、マーケテイングという言葉に敏感になって下さい。常に、これは顧客発想の視点なのか?と常に考える癖をつけて欲しいと思っています。ホームページを作っている時も、いつもこの視点を意識する事で、Webサイトの文章ひとつ一つが、顧客視点の文章になっていきます。すぐには変化しないので、いつも意識して過ごす事が大事になります。

マーケテイングという言葉に敏感になる

普段は気が付きませんが、言葉は僕たちの思考におおきな影響をもたらします。僕たちの身近なところで、マーケテイングと言われている事は、殆どの場合が、学術の意味でのマーケテイングではなくて、殆どがセールスの事を言っている事を理解して下さい。

例えば、LINEマーケテイングについて話している人がいたら、それって本当にマーケテイングについての話なのか?と敏感になって下さい。この様に、普段からマーケテイングという言葉自体に敏感になる事で、自分の中のマーケテイング感がハッキリしていきます。

どんなWebサイトにすればいいですか?

この様な質問をしている時点で、その人はマーケテイングができていません。顧客について物凄く深く知っていたら、その事について(顧客が知りたがっている事に対して)
・どんなデザインのWebサイトにしたらよりよく伝わりますか?
・どういう風に配置したら相手には伝わり易いですか?
という風に、伝えたい事がすべてわかっていて、その手段を教えて下さい!という状況が、マーケテイングが事前にチャンとできている状態と言えます。

SEO対策をしたいのですが、どうやったら上位表示できますか?

この質問も同様に顧客発想ではなくて、商品発想に他なりません。顧客がどういう検索文字で検索するのかがわかっていれば、キーワードがはっきりしている筈ですから、同じキーワードで上位表示されている同業他社のサイトを研究することができます。

そのサイトをいくつか分析してみて、まだ解説が不充分な分野のコンテンツを詳しく解説すれば、それだけであなたのホームページは顧客からもGoogleからも評価され、いずれ上位表示される事になります。この様にして、顧客についてしっかりと知る・・・という姿勢をいつも念頭の置いておけば、実は自ずとやるべき事が見えてくる様になります。

ホームページの相談を受けていていつも感じる事なのですが、殆どの人は勘違いしています。そしてその勘違いに気づいていません。
・表示ランクを上げたいんです。
・戦略や戦術やテクニック
・SEOやコンテンツマーケテイング
こんなものを駆使したら、何か変化が起こると思い込んでいますが、こういうものは全て、顧客発想の本当の意味を理解してる状態の時に、初めて役に立つツールや考え方であって、そうでない状態の時に何をやったとしても、全く効果はありません。

あのTOYOTAもジョブ理論を学んでいる

この様に、マーケテイングとは、世の中ではまだまだその真意が理解されていませんし、もしかしたら、この文章を読んでくれている読者さんにも、失礼ですが当てはまるかもしれませんが、本当の意味でのマーケテイングを正確に理解してもらいたくて、今まで長々と書いてきました。

TOYOTAという会社のマーケテイング成功事例昔話

昔、トヨタという会社がアメリカでピックアップトラックを販売した時の、マーケテイングの成功事例のお話しです。その時、トヨタは市場調査をして、顧客が購入できる価格を知りました。そして、いくらで販売する!・・・というところからスタートしました。勿論、この話はマーケテイングに関する書籍で、筆者が読んだ内容です。

どんな車だったら売れるのか?ではなくて、いくらだったら売れるのか?を知って、その値段で作れる車を販売しました。当時は、必要な機能を掲載した車を作ろうとしても赤字でした。でも、トヨタ自身は、自社の強みについてよく解っていました。世界中で認知されている改善という自社の強みを知っていました。

その強みを生かして、どんどん改善して、コストを下げる事に成功しました。最初は赤字だったのに、お客さんが買える車を作る事によって、生産性も向上させて、やがては大きく利益を上げられる様になりました。その時代、今でもそういう企業は多いと思いますが、製造コストに利益を上乗せした価格で販売している中、トヨタだけが、顧客が購入できる価格で販売しました。

そして、販売価格に差がついて、市場を席巻したという話です。これは、顧客視点でマーケテイングを実行した事例の一つです。トヨタは今でも、この改善を武器に、プリウスを開発して、この車も発売当初は高かった割には、全然利益は出ていませんでしたが、改善に改善を重ねて、今では利益を出すどころか、ハイブリッド車種の世界では自動車界を牽引し続けています。

こんな風に、顧客発想をして、例えばトヨタの様に、買える値段はここのゾーンという風に設定して、ここで何とか利益がでる方法を考えよう!という顧客視点で物事を考えるマーケテイングを実行しながら、自らイノベーションを起こす環境に敢えて挑戦しています。

このイノベーションはこれからのLessonで詳しくお話ししますが、ジョブ理論というものに繋がっていきます。実は、マーケテイングを実行する時に、必ず読んで欲しいのが、このジョブ理論になります。このトヨタの例とジョブ理論は繋がっているのですが、ジョブ理論は結構分厚い本なので、筆者なりに大事な要素をWCM講座では、その骨子(こっし)を読者さんにお伝えしますので、次のLessonで学んで下さい。

解説音声で一緒にマーケテイングの意味を学びましょう‼︎

体系的な知識学習は、文章を読みながら音声で何度も繰り返して聴く方法が一番長期記憶脳に定着しやすくなります。下記バナーをクリックして、Memberサイトを開いて、そこに収録されている音声を聴きながらマーケテイングに関する知識を習得していって下さい。より確実に知識が身につき、アイデアが湧き、小さなマーケテイングの実行ができる様になっていきます。尚、Member登録には1,200円(税込)かかります。ご了承下さい。

学び直すか先に進む

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